この国の名前は彩雲国。
もちろん日本でもなければ私の知る中国でもない。
ただ、文化なんかは中国と似てるけど…。
今のところ不自由なく暮らしてはいるが、やはり日本が恋しい。
…今頃姉貴は何してるんだろう。
まだ私を探してるのかな?
もう何日も過ぎてるけど。
「姉貴忙しいからなぁ…ちくしょー…」
四魂のかけらというものを集めたり妖怪と戦ったり、本当に大変な奴。
学校なんてたまにしか行かないし。
そんな姉貴が私をまだ探してるなんて思わない。
私も自分でなんとかなると思ってるから。
だけど井戸は私を日本に返す意思が無いようで、不気味なまま変な唸り声が時々響いた。
それを秀麗がかなり嫌がっていたので、静蘭が分厚い蓋をする始末。
当分帰る道が開かれることはないようだ。
ま、姉貴みたいな物騒なところじゃなくてよかった。
私なんて巫女の力みたいな大層なものはないし、変な力なんて微塵もない。
あるのはどこの女よりも怪力だってこと、くらいかな。
「武官目指そうかなぁ…」
静蘭も武官らしいし?
まだ下っ端らしいけども。
自分だってそっちの道にいけるんじゃないかと思う。
書くことが決まらない日記を畳み、寝台(ベッドみたいなの)の上にゴロンとねっころがった。
今日も本棚が倒れてたなぁ。
「あ。」
そうそう、邵可さん!
あの人はなんであんなにも散らかすのが得意なんだろう。
昨日整理した本棚がまたぐちゃぐちゃになったり、棚が倒れてたり。
わざとやってるのかと思ったが、そうでないようで、必ず私に謝ってくるんだから。
秀麗が苦労するのもわかる気がする。
邵可さんのことを日記に書こう、そう思ったけど、最近偉い人に会ったんだった。
そっちのことも書いておこう。
偉い人っていうのは、絳攸さんと楸瑛さん。
頭の固そうな奴とやけにベタベタな奴。
邵可さんによれば、二人とも将来有望で期待の若者、らしい。
どんなにすごいのかはわからないけど、とにかくすごいんだと皆が言ってたので…まぁすごいのだろう。
多分頭がいいとかそのへんかな。
「、晩御飯が出来たぞ」
「はいよー」
あーあ、静蘭だ。
扉越しでもわかるくらい…棒読み。
まだまだ私が信用ならないらしいよ、奴は。
書き途中の日記を枕もとに隠して古びた扉に向かう。
扉を開けると静蘭が珍しく待っていた。
「あれ、待ってたんだ」
「待ってたらいけないんですか?」
「いや、なんか、変だし…」
「変なのはですよ」
「…。」
ふん、と鼻を鳴らして先を行く静蘭。
コイツの場合言葉にも気をつけないといけない。
コイツだけは慣れない…ってか無理。
秀麗や邵可さんにはすごくいい顔するくせに。
噂によれば邵可さんに拾ってもらったらしい。
…だから二人には優しいのか。
ま、本当に感謝してるんだとわかるくらいに、静蘭は紅家に尽くしてると思う。
特に秀麗に関するとなると、とやかくうるさい。
あの井戸の蓋事件でもわかるように、ね。
「秀麗ー!飯ー!」
「またそんな言葉遣いして!!」
「ははは、は元気だね」
食卓にはもう質素ながらも、豪華な料理のように見える料理が並んでいた。
秀麗の手作りは本当に美味しい。
そんな良妻になれそうな秀麗と邵可さんは静蘭とは違って優しく接してくれる。
まるで家族のように振舞ってくれるから、結構やっていける。
いつ帰れるか、わからないけど、ここでならやっていけそうだよ。
「さぁ、晩御飯を食べようじゃないか」
「いただきます!」
「ったら…」
「(本当に女なのか…)」
拝啓 日暮家の皆様。
私は今日も元気に生きてます。


アトガキ
お久しぶりです!
ちょっとしたヒロインさんの語り、にしてください。(ぇ
そして恐ろしい問題を発見してしまいました。
「日暮家」なのに苗字…変換されちゃってますね!!!爆
今更になって気付きました。orz
近いうちに直しますので泣
そろそろ本編入りたいな…汗
でもあと少しだ…!!!頑張れ、まだ勝機はあるぞ!(ぇ
それではこれにて^^v
2007.9.30(Sun)